脳の障害 / 外傷性硬膜下血腫 / 脳挫傷 / 頭部外傷 の解決事例

103 第1級1号が認定された男性会社員について、約1億8300万円が支払われた事案

脳の障害外傷性硬膜下血腫脳挫傷頭部外傷

後遺障害等級後遺障害別等級1級~3級1号 :脳の障害 / 外傷性硬膜下血腫 / 脳挫傷 / 頭部外傷 、27歳、男性、会社員

第1級1号が認定された男性会社員について、約1億8300万円が支払われた事案。

  1億8,300
万円
保険会社提示額 - 万円
増加額 - 万円

交通事故状況

被害者は、バイクを運転して、信号機の設置されていない交差点を直進進行していたところ、一時停止違反をした四輪車に衝突され、両側急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫及び脳挫傷等の傷害を負いました。

ご依頼者のご要望

被害者のご両親は、適切な後遺障害等級が認定されること、妥当な賠償金額を受領することをご希望されていました。

受任から解決まで

当事務所にて受任後、後遺障害の申請を行い、被害者は、第1級1号と認定されました。本件事故態様からすると、過失相殺が争点となることが見込まれたため、後遺障害の認定後、まず、人身傷害補償保険金を請求しました。

そして、人身傷害補償保険金の受領後、相手方保険会社と賠償交渉を開始しました。

相手方保険会社は、傷害慰謝料、後遺症慰謝料につき裁判基準満額を認めたこと、近親者慰謝料につき600万円(父:300万円、母:300万円)を認めたこと、逸失利益を請求通り認めたことのほか、高額な将来介護費も認めたことから、任意交渉にて解決に至りました。

その結果、人身傷害補償保険金と損害賠償金を合計して、既払金を除いて、約1億8300万円が支払われました。

解決のポイント

人身傷害保険金を先行して受領することにより、過失相殺がなされなかった場合と同程度の金額を受領することが可能となりました。

頭部外傷

後遺障害別等級表別表1では、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」が第1級1号、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの」が第2級1号と規定されています。

両者は、第1級1号が常時介護を対象とする一方で、第2級1号が随時介護を対象とする点で違いがあります。

本件では、被害者は、事故後から意識障害の状態が続き、四肢が麻痺しており、自力で日常生活を送ることができず、全面的に介護が必要な状態でした。

このような状態からすると、被害者には常に介護が必要となることは明らかであることから、第1級1号に該当するとの認定結果は妥当と言えます。

また、赤い本では、「重度の後遺障害の場合には、近親者にも別途慰謝料請求権が認められる。」とされています。

本件では、被害者の後遺障害が重篤であることを踏まえ、被害者本人の後遺症慰謝料として2800万円が認められたほか、被害者の父の慰謝料として300万円、被害者の母の慰謝料として300万円が認められており、この点でも一定の成果を上げることができました。

介護費(将来付添費)

被害者に介護が必要となるような後遺障害が残存した場合、被害者は、介護費(将来付添費)を請求することができます。

本件では、被害者は、常時介護が必要とされる別表1の第1級1号に該当すると認定されたことから、相手方保険会社に対して、介護費を請求しました。

赤い本では、介護費について、「職業付添人は実費全額、近親者付添人は1日につき8000円。

但し、具体的看護の状況により増減することがある。」とされており、個別の事案ごとに、介護の主体、内容、介護のために必要な時間等の各事情を踏まえつつ、日額が判断されています。

本件では、介護費について、被害者の両親が介護を行っており、被害者の状態等を踏まえ、1日につき6400円として、平均余命まで54年分の約4300万円が認められました。

人身傷害補償保険

人身傷害補償保険は、治療費、休業損害、慰謝料等について、自分の過失割合に関係なく補償される保険です。

裁判実務では、人身傷害補償保険の充当方法について、訴訟基準差額説(人身傷害補償保険金が、まず被害者の過失相当額に充当され、それを超える金額がある場合のみ、被害者の損害賠償請求権に充当される考え方のことで、被害者にとって最も有利な考え方です。)が採用されており、人身傷害補償保険金を受領した後に損害賠償金を受領することで、受領額を最大化することが可能となります。

本件でも、まず、人身傷害補償保険金を受領し、人身傷害補償保険金が被害者の過失部分に充当されたことから、結果として、被害者は、過失相殺がなされなかった場合と同程度の金額を受領することが可能となりました。

過失相殺が争点となる場合には、ご加入の任意保険に人身傷害補償保険が付保されているかご確認頂くと良いでしょう。