上肢(肩、腕、肘、手首、手指)の障害 / 橈骨・尺骨骨折 の解決事例

1 12級13号 受任前より約520万円増額し示談解決

上肢(肩、腕、肘、手首、手指)の障害橈骨・尺骨骨折

後遺障害等級後遺障害別等級12級~13級13号 :上肢(肩、腕、肘、手首、手指)の障害 / 橈骨・尺骨骨折 、30代女性、主婦

神経症状
後遺障害逸失利益、後遺障害慰謝料について裁判基準での額が認められ、受任前より約520万円増額した額で解決することができました。

  980
万円
保険会社提示額 460 万円
増加額 520 万円

相談内容

自動車運転中の事故。加害車両のセンターラインをオーバーによる正面衝突。過失割合は相手方100%の事案です。

○○県の地方出張相談会でご相談を受けた被害者の方です。

神経症状による第12級13号が認定され、相手方保険会社から既に賠償金の提示を受けていました。その金額は、300万円台と非常に低い金額でした。

担当弁護士から、「本来受領出来る金額は700万円以上と考えられるので、現在の保険会社の提示より400万円程度増額できる可能性があります。」とご説明しました。
被害者の方は、「そんなに増額できるのですか?」と驚いておられました。

その後、被害者の方から正式に受任し、賠償請求に着手しました。

今回の争点は、主に以下の4点でした。

1 主婦の休業損害
休業損害とは、事故により仕事や家事を休まざるを得なかった場合の損害です。

2 主婦の後遺障害逸失利益
後遺障害逸失利益とは、事故後に後遺障害が残った場合に、労働能力の減少によって将来発生すると認められる収入の減少のことをいいます。

3 通院慰謝料
入通院慰謝料とは、交通事故により受けた「精神的」・「肉体的」苦痛に対して支払われるお金です。

4 後遺症慰謝料
交通事故の被害者が後遺障害をもたらす傷害を負った場合には、そのこと自体に対し慰謝料を請求することができ、この場合の慰謝料を後遺障害慰謝料といいます。

 

休業損害の問題

被害者が事故の怪我により家事への支障が生じていることを(小さいお子様がいらっしゃることなど)、具体的かつ詳細に主張しました。

主婦の休業損害の算出方式として、段階的に家事への支障が低下することを前提に(いわゆる逓減法)、全通院期間を対象として休業損害を主張しました。

計算式 [逓減法による主婦の休業損害]

1.基礎収入 10,044円/日

  3,666,000円(保険会社提示額)÷365日=10,044円/日  

2.休業日数 302日   (事故日から症状固定日までの実日数)

3.計算式

日額10,044円×11日×1.00=110,484円(入院中(11日間)は労働喪失率100%)

日額10,044円×73日×1.00=733,212円(事故から12日目から84日目は労働喪失率100%)

日額10,044円×73日×0.75=549,909円(85日から157日目までは労働喪失率75%)

日額10,044円×73日×0.40=366,606円(158日から230日目までは労働喪失率40%)

日額10,044円×72日×0.20=180,792円(231日から302日目までは労働喪失率25%)

計 1,830,519円

相手方の提示額約40万円   →  解決額約150万円

後遺障害逸失利益の問題

休業損害と同様に、家事への具体的な支障を主張しました。

交渉の結果、裁判基準にて解決することができました。

逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間 =305,500円×14%×7.7217(ライプニッツ係数(10年)) =3,963085円

相手方の提示額約220万円→解決額約400万円(裁判基準)

入通院慰謝料の問題

通院慰謝料については、140万円で解決しました。

相手方の提示額約100万円 →  解決額約140万円

後遺障害慰謝料の問題

後遺障害慰謝料については、裁判基準である290万円で解決しました。

相手方の提示額約90万円→解決額約290万円(裁判基準)

示談内容

   

受任前保険会社提示額    受領総額 約460万円
             
解決額          受領総額 約980万円 (520万円の増額)

内訳(抜粋)
休業損害     約40万円   → 約 150万円   

後遺障害逸失利益  約220万円   →  約400万円(裁判基準)   

通院慰謝料   約100万円   →   約140万円(裁判基準)  

後遺障害慰謝料   約90万円   →   約290万円(裁判基準)   

相談から解決までの期間

約2ヶ月(任意交渉による解決)

担当弁護士のコメント 担当弁護士のコメント

相談会後も、引き続き電話等で、担当弁護士からフォローさせていただきました。
被害者の方によると、相談会後にご自身で保険会社と交渉し、約460万円まで増額で きたものの、これ以上の増額はできないと保険会社から回答されたとのことです。

受任後、裁判基準に基づく請求額を確定させて、保険会社に対し賠償請求しました。

その後、1ヶ月程度で保険会社から賠償金額案の回答がありました。保険会 社支払額約900万円台です。

受任前より一気に約350万円の増額しました。この時点で、当初目標の700万円程度はクリアしました。

しかし、後遺障害慰謝料 の金額の提示が240万円であり、裁判基準の290万円ではありません。
このため、再度増額を目指し交渉を行いました。保険会社には、次のように交渉しま した。  
「第12級の後遺障害慰謝料として、裁判基準290万円未満での示談はあり得ません。もし、290万円を提示していただけないのなら、交通事故紛争処理センターへ申立てます。」

この一言で、保険会社は後遺障害慰謝料を裁判基準(第12級290万円)まで増額することが多いです。

仮に、裁判基準に増額しない場合には、交通事故紛争 処理センターへ申立てることで、最終的に裁判基準(第12級290万円)となります。
保険会社は、このことを知っているのです。

最終的に、第12級の後遺障害慰謝料として290万円、保険会社支払額約980万円で解決となりました。

○○さん、小さなお子さんがいらっしゃるため家事等ご苦労が多いかとお察しします。症状が改善することを祈っております。お大事にどうぞ。

主婦の方の休業損害について、詳しくはコチラ

後遺障害逸失利益について、詳しくはコチラ

入通院慰謝料について、詳しくはコチラ

交通事故紛争処理センターについて、詳しくはコチラ

交通事故における損害の全体像について、詳しくはコチラ

 

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