下肢(股、膝、足首、足指)の障害 / 下肢醜状痕 の解決事例

80 男性会社員の下肢醜状障害第12級の後遺障害慰謝料について、裁判基準の290万円からさらに150万円増額した事案。

下肢(股、膝、足首、足指)の障害下肢醜状痕

後遺障害等級後遺障害別等級12級~13級号 :下肢(股、膝、足首、足指)の障害 / 下肢醜状痕 、46歳、男性、会社員

下肢醜状障害
男性会社員の下肢醜状障害第12級の後遺障害慰謝料について、裁判基準の290万円から
さらに150万円増額した事案です。

  620
万円
保険会社提示額 - 万円
増加額 - 万円

交通事故状況

高速バスに乗車中、後方から貨物自動車に追突されました。

ご依頼者のご要望

お怪我をされた左下肢について、適切な後遺障害認定を受けること及び適切な慰謝料を受領することをご要望でした。

受任から解決まで

被害者は、左下腿皮膚潰瘍及び左足関節挫滅創により左下腿の広範囲にわたりケロイドの醜状痕が残っていました。

当事務所で受任後、被害者の左下腿皮膚潰瘍及び左足関節挫滅創による左下腿の醜状障害について、「てのひらの大きさの3倍程度以上の瘢痕を残しているもの」と認められ、第12級相当の後遺障害認定を受けました。

当事務所は、裁判基準で慰謝料等を計算して、相手方保険会社に対し損害賠償請求を行い、示談交渉を行いました。

示談交渉開始から約1ヶ月で解決しました。

上肢、下肢の醜状痕(醜状障害)

上肢及び下肢の醜状痕について後遺障害の対象となるのは、露出面の醜状です。

この「露出面」とは、自賠責では、上肢について「上腕(肩関節以下)」、下肢について「大腿(股関節以下)」とされています。

なお、労災基準の「露出面」とは、「肘関節以下」、「膝関節以下」ですので、労災基準より自賠責基準の方が広範囲です。

上肢、下肢の露出面の醜状痕が、「手のひらの大きさの3倍程度以上」の場合には第12級相当に該当し、「手のひらの大きさ」以上の場合には第14級4号(上肢)または第14級5号(下肢)に該当します。

本件の被害者は、左下腿皮膚潰瘍及び左足関節挫滅創によるケロイドの醜状痕の大きさが、「てのひらの大きさの3倍程度以上の瘢痕」と認められ、第12級相当に認定されました。

醜状痕の逸失利益、慰謝料

上肢または下肢の醜状痕の後遺障害について、被害者が男性の場合には、仕事への支障は生じない、あるいは労働能力が喪失したとはいえないとして、逸失利益が否定される傾向にあります。

ただし、第12級相当が認定される程の醜状痕が残存した場合には、痛みや張り等の違和感が残っていることが多く、仕事への支障が全く生じないとは言い切れません。

このため、損害項目のうち、逸失利益が否定される場合には、その代わりに慰謝料を増額する交渉を行い、損害額の増額交渉を行う必要があります。醜状障害の慰謝料について相場は存在しないことから、交渉する弁護士によって慰謝料の金額が大きく異なる傾向にあります。

なお、顔面の醜状痕については、男性であっても、逸失利益が認められる傾向にあります。

本件では、被害者が男性会社員であったことから、相手方保険会社は、下肢の醜状痕が仕事に影響することは考え難いとして、頑なに逸失利益を認めませんでした。

このため、当事務所は、逸失利益の交渉は断念し、その代わりに後遺障害慰謝料について、第12級の裁判基準290万円から、さらに増額を目指して交渉しました。

その結果、第12級後遺障害慰謝料について、裁判基準の290万円から150万円増額し、440万円で示談解決しました。

担当弁護士のコメント 担当弁護士のコメント

上肢または下肢の醜状痕については、逸失利益が認められない傾向にあります。

このような場合には、慰謝料の増額交渉を行う必要があります。

本件の被害者は、下肢の醜状痕について、外観だけでなく、左足関節の張りが歩行に影響すること等を主張立証して、裁判基準の慰謝料よりさらに150万円慰謝料を増額することができました。