下肢(股、膝、足首、足指)の障害 / 下肢短縮 / 脛骨・腓骨骨折 の解決事例

58 下肢の短縮障害等を残した主婦について、67歳までの労働能力喪失期間が認められた事案

下肢(股、膝、足首、足指)の障害下肢短縮脛骨・腓骨骨折

後遺障害等級併合13級 :下肢(股、膝、足首、足指)の障害 / 下肢短縮 / 脛骨・腓骨骨折 、40代女性、主婦

下肢短縮障害として第13級8号、神経症状として第14級9号
下肢の短縮障害等を残した主婦について、67歳までの労働能力喪失期間が認められた事案です。

  780
万円
保険会社提示額 - 万円
増加額 - 万円

交通事故状況

横断歩道が設置されていない道路を横断中、左方より進行してきた車両に衝突され、左脛骨腓骨骨折及び左橈骨骨折等の傷害を負いました。

ご依頼者のご要望

治療中にご相談に来られ、後遺障害として適切な認定を受けること等をご希望されていました。

受任から解決まで

受任後、後遺障害の認定に向けたサポートを実施しました。

今回のケースでは、医師より後遺障害診断書を作成して頂いたところ、被害者の方に生じている症状のうち、骨折部位の疼痛に関する記載が漏れていました。
そこで、当事務所においてこの点を指摘し、後遺障害診断書の内容を修正して頂いた上で、被害者請求により後遺障害の申請をしました。

その結果、左下肢の短縮障害について第13級8号、左脛骨腓骨骨折後の左下腿痛等について第14級9号が認定され、併合第13級と認定されたことから、保険会社と賠償交渉を開始しました。

その後、主に休業損害及び逸失利益に関して双方の主張に隔たりがあったことから、交通事故紛争処理センターへと申立てをし、解決しました。

示談交渉

保険会社は、当初、休業損害約130万円、逸失利益のうち労働能力喪失期間について5年と主張しました。

しかし、休業損害について、被害者の方は、受傷後、左下肢に装具を装着していたことから、家事労働に相当程度の支障があったものと考えられますし、労働能力喪失期間について、短縮障害は改善する見込みがないことから、労働能力喪失期間を制限することは妥当ではありません。

そこで、交通事故紛争処理センターに申立て後、当方がこの点を主張した結果、休業損害約230万円、労働能力喪失期間を5年に制限せず67歳まで認める旨の斡旋案が提示され、双方合意に至りました。

その結果、賠償額は、保険会社の当初の提示額約340万円から、最終受領額約640万円に増額しました。

【交通事故賠償項目】休業損害

【交通事故賠償項目】後遺障害逸失利益(後遺症による逸失利益)

労働能力喪失期間

逸失利益は、「基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」で算出されます。

赤い本は、「労働能力喪失期間の終期は、原則として67歳とする。」、「むち打ち症の場合は、12級で10年程度、14級で5年程度に制限する例が多く見られるが、後遺障害の具体的症状に応じて適宜判断すべきである。」としています。

今回のケースでは、保険会社は、頚椎捻挫等の神経症状に準じて、労働能力喪失期間を5年と主張したものと思われます。

しかし、労働能力喪失期間を判断するに当たっては、後遺障害の内容に応じて、症状が改善する見込みの有無を検討する必要があります。

この点、下肢の短縮障害は、頚椎捻挫等の神経症状と異なり、いわゆる器質的損傷であり、今後症状が改善する見込みがあるとは言えません。

そのため、下肢の短縮障害の場合、労働能力喪失期間の終期は、原則通り67歳と認められるべきです。

特に、さきほどの計算式の通り、逸失利益は、労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数を乗じて算出されるため、労働能力喪失期間は、事案に応じ、適切な認定を受ける必要があります。

保険会社から賠償金の提示を受けたものの、賠償金額が妥当かどうか分からないという方がいらっしゃいましたら、弁護士が提示内容の確認をさせて頂きますので、示談をされる前に、一度当事務所までご相談ください。

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担当弁護士のコメント 担当弁護士のコメント

下肢の短縮障害等を残した主婦について、67歳に至るまでの労働能力喪失期間が認められました。