脊柱(頸椎・胸椎・腰椎)と脊髄の障害 / 脊柱の障害 / 頚椎・胸椎・腰椎骨折 の解決事例

100 異議申立てにより、脊柱変形障害第11級7号が認定された事案

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後遺障害等級併合11級 :脊柱(頸椎・胸椎・腰椎)と脊髄の障害 / 脊柱の障害 / 頚椎・胸椎・腰椎骨折 、77代女性、主婦

①脊柱変形障害(第11級7号)、②神経症状(第14級9号)
異議申立てにより、脊柱変形障害第11級7号が認定された事案。

  1,130
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交通事故状況

被害者は、交差点を横断中に自動車に衝突され、胸椎圧迫骨折等の傷害を負いました。

ご依頼者のご要望

被害者は、適切な後遺障害等級の認定を受けることをご要望でした。

受任から解決まで

当事務所は、被害者から受任後、後遺障害の申請(被害者請求)を行いました。

ところが、自賠責は、被害者の胸椎圧迫骨折について、後遺障害に該当しないと判断しました。そこで、当事務所は、新たに画像鑑定を行い、被害者の胸椎圧迫骨折を証明して異議申立てを行いました。

その結果、自賠責は、被害者の胸椎圧迫骨折について、脊柱変形障害として第11級7号に認定しました。

解決のポイント

初回の後遺障害申請(被害者請求)で後遺障害に認定されなかった障害について、画像鑑定及び医療記録(カルテ)の分析を行い、胸椎圧迫骨折を証明しました。

異議申立

後遺障害等級を認定するのは、自賠責保険会社です。

実際の審査は、損害保険料率算出機構及びその下部機関である自賠責損害調査事務所が行います。

審査方法は、原則として、書類審査です。

このため、書類審査という制度上の限界として、実際に、重篤な症状が残存しているにもかかわらず、その症状が適切に評価されず、後遺障害として認定されないことがあります。

本件に関して、初回の後遺障害申請において、自賠責は、被害者の胸椎圧迫骨折について、次のように判断し、後遺障害として認定しませんでした。

すなわち、自賠責は、「提出の画像上、第12胸椎椎体の骨挫傷は認められるものの、経時的な胸椎X-P上、椎体の楔状変形の進行や骨棘形成等の外傷性の圧迫骨折を裏付ける所見は認められない」として、後遺障害に該当しないと判断したのです。

しかし、被害者は、現に、胸椎を圧迫骨折し、それに伴う強い痛みを訴えていました。

そこで、当事務所は、胸椎圧迫骨折を証明するために、胸椎の画像鑑定を行いました。

鑑定医は、「第12胸椎に骨折線がみられる」として、「画像からは事故による受傷が第1に考えられる」と結論付けました。

当事務所は、この画像鑑定書に加えて、医療機関から全ての医療記録(カルテ)を取り寄せて事故直後から胸椎圧迫骨折による痛みが生じていたことを証明し、また刑事記録を取り寄せて歩行中の被害者が自動車に衝突されて強い衝撃を受けた事実を証明したうえで、異議申立てを行いました。

その結果、自賠責保険会社は、当事務所の主張を全面的に認め、「再度検討を行った結果、画像上、第12胸椎圧迫骨折が認められることから、『脊柱に変形を残すもの』として第11級7号に該当する」と判断し、被害者の胸椎圧迫骨折について後遺障害を認定しました。

担当弁護士のコメント 担当弁護士のコメント

本件において、初回の後遺障害申請において提出した画像と、異議申立てにおいて提出した画像は同一でした。

しかし、異議申立てでは、画像鑑定書、医療記録、刑事記録を添付することで、初回の後遺障害申請では否定された圧迫骨折が、後遺障害として認定されたのです。

自賠責保険会社の後遺障害認定の結果に疑問を感じていらっしゃる被害者の方は、後遺障害に詳しい弁護士にご相談されることをお勧めします。