頸椎捻挫(ムチウチ)・腰椎捻挫 / 鎖骨・胸骨・肋骨・骨盤骨・臓器の障害 / 鎖骨骨折 の解決事例

102 保険会社が被害者の過失15%と主張した事案について、被害者の過失0%で解決した事案

頸椎捻挫(ムチウチ)・腰椎捻挫鎖骨・胸骨・肋骨・骨盤骨・臓器の障害鎖骨骨折

後遺障害等級併合11級 :頸椎捻挫(ムチウチ)・腰椎捻挫 / 鎖骨・胸骨・肋骨・骨盤骨・臓器の障害 / 鎖骨骨折 、40代男性、会社員

①鎖骨の変形障害(第12級5号)、②肩関節の機能障害(第12級6号)、③神経症状

醜状障害として保険会社が被害者の過失15%と主張した事案について、被害者の過失0%で解決した事案。

  920
万円
保険会社提示額 0 万円
増加額 920 万円

交通事故状況

被害者は、バイクを運転して直進進行中、対向方向から、加害車両が、交差点手前の右折レーンに入るため、前方に停車していた車両の右側を通過しようとしてセンターラインをオーバーしました。
被害者は、加害車両との接触を避けるため、急ブレーキを掛け、転倒し、頚椎捻挫及び右鎖骨骨折等の傷害を負いました。

ご依頼者のご要望

被害者は、適切な後遺障害等級が認定されること、妥当な賠償金額を受領することをご希望されていました。

受任から解決まで

治療終了後、当事務所にて、被害者請求により後遺障害の申請を行い、併合第11級が認定されました(鎖骨の変形障害と肩関節の機能障害が残存した場合は、両者は併合して扱われます。)。

後遺障害の認定後、裁判基準に基づき損害額を積算し、保険会社との間で賠償交渉を開始しました。

しかし、保険会社は、事故態様を争い、被害者の過失を15%と主張したことから、過失割合を巡り、当方との間で主張が対立しました。

そこで、当事務所は、交通事故紛争処理センターへ申立てをし、実況見分調書及び加害者の供述調書等の刑事記録を踏まえ、事故態様を詳細に主張立証し、本件事故が所謂センターラインオーバーであることから、被害者の過失は認められない旨を主張しました。

交通事故紛争処理センターは、当方の主張を全面的に認め、被害者の過失は認められない旨の斡旋案を提示しました。その結果、既払金を除いて約920万円にて解決に至りました。

センターラインオーバー

事故態様が争いとなる場合は、通常、実況見分調書、供述調書及び車両の写真等の証拠を踏まえ、事故態様を検討する必要があります。

本件では、保険会社が、加害車両がセンターラインをオーバーした事実を否認し、事故態様が争いとなったことから、当方は、加害者が自ら指示説明した実況見分調書や加害者の供述調書等の刑事記録を踏まえ、事故態様を丁寧に主張立証しました。

その結果、交通事故紛争処理センターでは、当方が主張した通り、加害者がセンターラインをオーバーした事実が認められました。

判例タイムズは、センターラインオーバーについて、

「左側部分通行は、運転者にとって、信号表示に従うことと並ぶ最も基本的なルールであるから、左側部分通行の車両とセンターオーバーした対向車両とが接触した場合には、原則としてセンターオーバーした車両の一方的過失によるものと考えられる。」

としており、基本的過失割合は、センターラインをオーバーした車両が100%、左側部分を通行していた車両が0%とされています。

なお、センターラインオーバーが問題となった裁判例として、東京地判平成19年7月31日・交民集40巻4号1056頁があります。

この事案は、バイクが片側二車線道路の第2通行帯を走行中、対向方向から片側二車線道路の第2通行帯を走行していた四輪車が、転回中の四輪車を回避するため、センターラインをオーバーし、バイクと衝突した事案であり、東京地判は、判旨の中で、バイクの過失について、

「原告は、本件道路の南進車線を制限速度内で走行していたもので、対向車のセンターラインオーバーを予期すべき注意義務は要求されず、本件事故の直前に対向車線から進入してきた被告車との衝突を回避することは不可能であったと考えられるから、本件事故の発生について原告に過失があるということはできない。」

として、センターラインオーバーを予期すべき注意義務の有無等について言及しており、参考になると言えるでしょう。

担当弁護士のコメント 担当弁護士のコメント

刑事記録から事故態様を詳細に主張立証したことにより、加害車両がセンターラインをオーバーした事実が認められました。