脳の障害 / 顔の障害 / 顔面線状痕・瘢痕・挫創 / 眼(視力、調整・運動機能、視野)の障害 / 高次脳機能障害 の解決事例

109 高次脳機能障害など後遺障害第5級の被害者の逸失利益について、裁判所が労働能力喪失率79%を認定した事案。

脳の障害顔の障害顔面線状痕・瘢痕・挫創眼(視力、調整・運動機能、視野)の障害高次脳機能障害

後遺障害等級併合5級 :脳の障害 / 顔の障害 / 顔面線状痕・瘢痕・挫創 / 眼(視力、調整・運動機能、視野)の障害 / 高次脳機能障害 、55歳、男性、会社員

万円
保険会社提示額 - 万円
増加額 - 万円

交通事故状況

被害者は、交差点を横断したところ、対向方向から交差点を右折進行してきた四輪車に衝突され、右脛骨高原骨折、脳挫傷及び外傷性視神経症などの傷害を負いました。

ご要望

被害者は、妥当な賠償金額を受領することをご希望されていました。

受任から解決まで

被害者は、被害者請求により、併合第5級が認定されていました。

当事務所にて受任後、裁判基準により各損害を算定し、保険会社との間で示談交渉を行いましたが、保険会社は、慰謝料などを低く提示しました。

そこで、当事務所は、訴訟を提起し、最終的に、判決が下されました。

解決のポイント

保険会社は、逸失利益が認められない、労働能力喪失率は交通事故前後の実際の減収率に相当する14%とすべきなどと主張していましたが、裁判所は、当事務所が主張するとおり、第5級相当の79%の労働能力喪失率を認定しました。

労働能力喪失率

「赤い本」は、労働能力喪失率について、「労働能力の低下の程度については、労働省労働基準局長通牒別表労働能力喪失率表を参考とし、被害者の職業、年齢、性別、後遺症の部位、程度、事故前後の稼働状況等を総合的に判断して具体例にあてはめて評価する。」としています。

実務では、保険会社は、労働能力喪失率について、労働能力喪失表が掲げる喪失率よりも低い喪失率を主張するケースがよく見られます。

今回のケースでも、保険会社は、逸失利益が認められないとか、労働能力喪失率は交通事故前後の実際の減収率に相当する14%とすべきなどと主張していました。

しかし、被害者の中には、後遺障害が残存しながらも、交通事故前と同程度の収入を維持すべく、本人が特別の努力をしているケースや、上司や同僚による配慮が行われているケースがあり、減収がない、もしくは、減収率が低いからと言って、労働能力喪失率を低く認定することは問題があります。

今回のケースでも、当事務所は、高次脳機能障害及び視力障害による職務に対する支障のほか、減収率が低く抑えられている理由などを詳細に主張立証しました。

その結果、裁判所は、「被告は、①原告の業務内容は本件事故の前後を通じて変化しておらず、減収率は79%を大幅に下回る約14%にとどまっていること、②原告が、主治医に対し、業務内容に変化がないことや業務に支障がないことを繰り返し申告していること、③原告が視力障害の影響であるとする業務上の支障は高次脳機能障害の影響であり、視力障害の影響による労働能力喪失は考慮すべきではないことからすれば、原告の労働能力喪失率は79%を下回るものである旨主張する。

しかしながら、業務内容にほぼ変化がないとしても、業務に支障を生じていることは上記のとおりであるし、本件後遺障害のうち高次脳機能障害は記憶力、集中力及び遂行力等を低下させ、円滑な対人関係を構築することなどを困難にするものであり、視力障害は視界を狭め、集中力や疲れやすさにも影響するものであって、いずれも原告の業務に多大な支障を生じさせる後遺障害であるというべきであるところ、実際に原告に上記のような症状を見て取ることができることからすると、減収が比較的少額にとどまっているのは原告の努力や周囲の配慮によるものであるとみるべきであり、本件後遺障害により定年後の再就職が困難になる可能性等も考慮すると、労働能力喪失率が79%を下回ると評価することは相当ではない(①)。

また、高次脳機能障害の症状の一つに病識欠落があり、原告が業務に支障がないと感じていたとしても、実際に業務に支障がないことを直ちに意味するものではない上、原告は主治医に対し、疲れやすさや集中しづらさについても訴えており、原告自身、仕事に支障がないと感じていたとは考え難い(②)。

さらに、視力障害が原告の業務に支障を来すものであることは上記のとおりであり(③)、以上によれば、被告の上記主張を採用することはできない。」と判示して、第5級相当の79%の労働能力喪失率を認定しました。

当事務所では、減収がない、もしくは、減収率が低いケースでも、具体的な事情を踏まえ、後遺障害等級相当の労働能力喪失率が認定されたケースが数多くございますので、示談交渉でお困りの方は、是非、当事務所までご連絡下さい。

なお、今回のケースは、自保ジャーナル第2002号に掲載されておりますので、ご興味がある方は、ご覧下さい。

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