下肢(股、膝、足首、足指)の障害 / 足関節脱臼骨折 の解決事例

81 第12級13号の後遺障害を残存させた男性会社員について、受任前の人身傷害保険金約440万円から約820万円に増額した事案。

下肢(股、膝、足首、足指)の障害足関節脱臼骨折

後遺障害等級後遺障害別等級12級~13級13号 :下肢(股、膝、足首、足指)の障害 / 足関節脱臼骨折 、38歳、男性、会社員

神経症状
第12級13号の後遺障害を残存させた男性会社員について、受任前の人身傷害保険金
約440万円から約820万円に増額した事案です。

  820
万円
保険会社提示額 440 万円
増加額 380 万円

交通事故状況

被害者は、バイクを運転中、スリップして転倒し、右足関節脱臼骨折等の傷害を負いました。

ご依頼者のご要望

被害者は、ご自身が加入される保険会社より人身傷害保険金として約440万円と提示されており、当該保険金額が妥当かどうか確認したいとして、ご相談に来られました。

受任から解決まで

提示内容を確認したところ、逸失利益のうち労働能力喪失期間について3年と認定されており、増額の余地がありました。

そこで、当事務所にて受任後、逸失利益の増額交渉を行いました。

増額交渉において、人傷社は、当初、労働能力喪失期間を5年と主張していました。

この点、被害者は、本件事故により右足関節脱臼骨折等の傷害を負い、右足関節痛について第12級13号が認定されていました。

そこで、被害者の後遺障害の内容等を踏まえて増額交渉をすることにより、労働能力喪失期間を10年まで引き上げることができ、最終的に、受任前の約440万円から約820万円に増額することができました。

人身傷害保険金

人身傷害保険とは、契約中の自動車に搭乗中の方などが自動車事故により死亡したり、怪我を負った場合に生じる逸失利益や治療費などについて、1回の事故につき被保険者1名ごとに、保険金額を限度として保険金を支払うものです。

人身傷害保険は、①被害者の過失部分も補償されるため、被害者の過失の大小に関係なく、保険金額の限度内で補償を受けることができる、②被害者が加入する保険会社から迅速に保険金の支払いを受けることができる、という点にメリットがあると言えます。

では、人身傷害保険金がどのように算出されるのかと言うと、保険金請求権者との間で争いが生じないよう、保険金額は約款に掲載されています。

そのため、傷害慰謝料や後遺症慰謝料は、約款に掲載された金額により算出されるため、弁護士が代理で交渉したとしても金額は変わりません。

しかし、逸失利益は、弁護士が代理で交渉するメリットが有ります。

それは、人身傷害保険は、例えば、有職者の逸失利益の算出方法として、「現実収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」もしくは「年齢別平均給与額の年相当額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」のいずれか高い額とすると規定していますが、等級に応じた具体的な労働能力喪失期間を掲載してはいません。

この点、労働能力喪失期間は、後遺障害の内容等を考慮して、事案ごとに個別具体的に判断されます。

そのため、事案によっては、労働能力喪失期間を交渉することで逸失利益を増額し得るケースが有るのです。

本件でも、被害者は、第12級13号の後遺障害が認定されていましたが、労働能力喪失期間として3年と提示されていました。

しかし、被害者は右足関節脱臼骨折等の傷害を負い、右足関節に疼痛を残存させており、後遺障害の内容等を踏まえて増額交渉することで、労働能力喪失期間を10年に引き上げることができ、被害者の方にご満足頂くことができました。

なお、人身傷害保険金の算出について、保険会社によると「損害額の認定は、約款に定められた基準に従い、弊社が行います。」等との説明がなされていますが、このことは、上記の通り、例えば、傷害慰謝料や後遺症慰謝料については当てはまるものの、労働能力喪失期間のように増額交渉が可能な項目もあることに注意が必要です。

そのため、人傷社との間で協定書(確認書などと呼ばれることもあります。)を締結する前に、一度、弁護士までご相談されることをお勧め致します。

担当弁護士のコメント 担当弁護士のコメント

労働能力喪失期間について、受任前の3年から10年へ引き上げ、人身傷害保険金の逸失利益を大幅に増額することができました。